3月20日(土祝)・21日(日)の2日間に渡って開催されたイベント「小さな工場蚤の市2021 spring」の様子をお届けします。

毎年春に周年祭として開催を続けてきたイベント「工場蚤の市」。2020年はコロナ禍の影響を受けて開催を見送りましたが、社会状況に沿った新しい工場蚤の市のあり方を模索し続けてきました。

例年ではマーケットやワークショップ、キッチンカーなどのたくさんの出店で賑わいますが、今年はマーケットのみに特化することで規模を縮小。また万全な感染予防対策を講じた上で、三条ものづくり学校が工場の皆さまに代わって販売する“小さな”工場蚤の市というかたちで開催に至りました。

会場である105号室に並ぶのは、古い機器の基盤やへら絞りの試作品、マシンの識別ボタン、金属片やパーツ、機械の油差しに使っていた薬缶などなど…工場の外では目にできないものばかり。三条ものづくり学校が燕三条地域の12社の金属加工業社を回り、商品それぞれの背景を聞き取りながら集めました。

一見すると用途不明なものばかりですが、「このパーツは一輪挿しに使えそう」「インテリアに飾りたい」などお客さまそれぞれが、手に取った商品に使い道を見つけてくださり、素材としてたくさんの方のお手元に届いていきました。

単なる不用品でしかない工場の廃材は、その役割を超えて、誰かにとって価値ある特別なものになり得るし、またその誰かにとっても廃材を通して地域のものづくりに関心を持つきっかけとなるかもしれない。掘り出し物を探すお客さまの熱気にそんな可能性を感じた2日間となりました。

ご協力くださいましたものづくり事業者さま、ご来場いただきましたたくさんのお客さまに心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました！今後もこのようなイベントを小規模ながらも、熱量を持って続けていけたらと思いますのでどうぞお楽しみに！

Photo：中緒公志