燕三条地域の製造業者・クリエーター・デザイナーを中心に、県内外で活躍する三条ものづくり学校と関わりのある「ものづくり」のプロフェッショナルたちをご紹介します。
\\箪笥のお医者さん//
酒井指物
■基本情報
業種|桐たんすのリフォーム
所在地|三条市
事業PR|桐たんすの再生専門店です。ご自身の嫁入り箪笥であったり、お母さまの形見の桐箪笥を、今の生活にあった家具に再生し傍に置いて使うことで、そこに込められている想い出も蘇り、再び寄り添うことが出来ます。TVボードやソファ、お仏壇など可能な限り何でも必要な家具に再生いたします。
桐たんすは元々修理して代々引き継ぐことが出来る特別な文化を持った家具です。当社では単純な修理・復元だけではなく、全く別の家具に作り替えることを得意としています。その再生された家具がさらに次世代に受け継がれるためにはしっかりとした造りが必要です。当社では鉄釘やビスを使わずに、桐箪笥にも用いられている伝統工法である指物の技術を用いて再生することを大事としています。
==HP・SNS==
公式サイトsakai-sashimono.com/
Q1 普段はどんなお仕事をされていますか?
古くなったけど思い入れのある形見の箪笥や、ご自身の嫁入り道具だった桐箪笥をじっくり診察し、適切な手術をして蘇らせています。単純な怪我の治療から、移植手術や改造手術もします。時に解剖して別物に造り変えたりもします。
再生は一から作り出す技術に加えて特殊な技術が必要です。板の状態なら簡単に出来る加工が、箪笥の状態で加工を施さなければならないので、機械では出来ない、指物の技術や様々な手工具を駆使して箪笥を再生させます。
Q2 仕事における“こだわり”はズバリ
『常に本質的であること。』
どういう用途の物か、どんな使われ方をするか、どこに置かれるか、だれが使うか、どのサイズが使いやすいか、どんな形が良いか、どんな色が合うか・・・などなど、使う人や置かれる場所、元の箪笥の状態や想い入れのある箇所など、すべてのお客様が全て異なる状況にあり、すべてそれぞれ異なるものに再生されます。ですので常に何が必要とされているのか、どうするのが最善策かという本質を考えることが再生において重要だと考えています。
Q3 今、一番力を入れていることは?
仕事に対しての情熱は人一倍自信がある一方で、何に一番力を入れているか聞かれたら実は子育てかも知れません。これを妻に言ったら、は?どこが?と言われそうですが(苦笑)
今に限らず、子供たちが生まれた瞬間から今後もずっと子育てが一番中心だと思っています。子煩悩ということではなくて、存在自体が生きがいだし、ここまで独立して工房を何とか頑張って来れたのも子や家族があったからで、これからも一緒にいろんな経験をしたいし、一緒に楽しみたい。極端に言えば仕事なんてのは、それを実現するための糧でしかないと思っています。
Q4 今はやっていないけれど、興味のあることは何?
溶接、3Dプリント、レーザー加工、旋盤、電子回路・・・こんなものが欲しいと思ったときに何でも作れるようになりたい。ベイマックスの主人公ヒロの頭脳と環境がめっちゃ理想。
Q5 これからチャレンジしてみたいと思うことは?
モノづくりの学校を作りたい。木工に限らず、金属加工や電子制御、デザインなど、モノづくりに関わる全てが集まった教育機関。一つの専攻に絞って学ぶのではなく、気になる分野をすべて学べる学校。様々な分野をクロスして学んで、他分野を活用したり応用して、世にない新しいモノをどんどん生むことが出来るようになる学校。って自分がそんな学校で学びたいだけwでも死ぬまでに必ず実現させたい。いや出来れば早急に実現させたいw賛同者募集中w
三条ものづくり学校は、工場やクリエイターをはじめ様々なジャンルのものづくりをする人たちを応援しています!
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2017.1.15. UP
桐箪笥文化を次の世代へ。受け継ぐ想いと共に再生する箪笥
酒井指物